銀杏


言いながら隣を歩く福田くんを見上げると、目が合った。

「そんなに低くないと思うけど。何センチ?」

「158センチ。せめて後2センチ欲しい~。」

前髪を弄りながら口を尖らせた。

「女の子はそんなに高くない方がいいよ。」

そう言って頭の上にポンと手を置いた。

え…。

福田くんに頭触られるの初めてだ。何か…変な感じ。

「あの…話って何?」

話題を変え、乗せられた手を避けるために、さりげなく一歩離れると、手はすぐに下ろされた。

「最近…タカさんとこよく出入りしてるんだって?」

「ああ、うん。」

「タカさんとこ行くんだったら、ウチにも来ればいいのに。コータローもいるし。」

「コータロー?」




< 352 / 777 >

この作品をシェア

pagetop