銀杏

ミッチの頼み



博貴との関係が順調になっていくにつれて、貴士とはぎくしゃくしたものになっていく。

今までなら、博貴と同じような優しい笑みを浮かべて話を聞いてくれたのに、何を言っても『兄貴は知ってるのか』とか『俺より先になぜ兄貴に言うんだ』とか、何かと比較する態度にうんざりしていた。

そのうち、咲はだんだん忙しくなり、以前ほど頻繁に訪ねることはできなくなった。と同時に貴士も忙しいのか、家に行っても会えないことが多くなっていった。

正直、貴士がいない方が博貴と落ち着いて話ができたし、博貴といると不思議な気持ちになってる自分に気づいた。

でもそれが何なのかはわからない。

恋…ではない。
家族に近い?
でも尊とは違う。
どっちかと言えば、おじちゃんやおばちゃんに近いのかなあ。

佐古田先輩……。
ああ、そうだ。
佐古田先輩と似てるのかもしれない。




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