銀杏

咲の気持ちと尊の思い



私たちは中学二年生になった。尊とは別々のクラスだ。といっても隣のクラスだから何かと顔を合わせることは多い。

尊は頻繁に顔を覗かせては咲を呼ぶ。

教科書忘れた、辞書貸して、ノート見せろ…

挙げ句にポスターカラーだとか裁縫道具まで借りに来る。

一体尊は学校に何を持ってきてるんだ?と思ってしまう。

そのくせ咲が返してと言いに行くまで返さないのだから始末が悪い。

そのせいかどうかわからないけど、噂がたち始めた。

“一文字は天宮を追いかけ回してる”

初めはわからなかった。時折、女の子たちがひそひそ話をしながらチラチラと見る視線を感じるようになって…。

中でもあの日出会ったテニス部の先輩…鋭い視線を感じて辺りを見ると必ず近くにいて、目線が合う前に逸らす。

なんだかよくわかんないけど…私…睨まれてる…?

何で?




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