四竜帝の大陸【青の大陸編】

29

お腹が空いた。

あ、ケーキが食べかけだったような。
ダルフェさんのケーキ。

「りこ」

ん~?

ハクちゃん?
ハクちゃ~ん、私はお腹が空いたよぉ。

がじがじ。
硬いね、これ。

がじがじ。
硬いし、味も無いよ。

「りこ? 空腹なのか? 何が食べたいのだ?」

がじがじ。
こんな硬いのじゃなくて、軟らかいのがいい。

すごくお腹が空いてるから、がっつり食べたいかも。
久しぶりに、カレーが食べたい。
ハクちゃん、カレー……カレーがいい。

「かれー? かれー……?」

私はカレーにするね!
ハクちゃんは何がいい?
ハクちゃんは食べたいものある?

「我か? 言わないと駄目か? できるならば内緒にしたかったのだがな」

教えてよ!
他の人には言わないから。

秘密にするから、二人だけの秘密。
ねぇ、ハクちゃんは何が食べたいの?

「……りこ」

え?

「りこが食べたい」

私!?

困ったね~。
食べられたら死んじゃうよ?

死んじゃったらハクちゃんといられなくなっちゃうもの。
あ!
私が死んじゃったら食べていいよ。
新鮮なうちに召し上がれ!

「りこは死なない。我が死なせない。永遠に我と生きるのだ」

ふ~ん。
よくわからない。

でも死なないと食べさせてあげられないよ?
ハクちゃん、お腹が減っちゃうのよ?

「かまわない」

そう?
なら、いいかな?

生きていて、いいかな?
ハクちゃんの側にずっと、ず~っといていいのかな?

「そうだ。りこは我の側に。りこがこうして腕の中にいてくれるならば、我の飢餓は満たされる」

ずっと?

うん。
離さないでね。
置いていかないでね?

「二度と離れない。約束だ」

約束。
うん。

お腹、空いたなぁ。
がじがじがじ。



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