四竜帝の大陸【青の大陸編】
「そっかぁ、分かったよハニー。今日は全員そろってるし、久々に団長のしごきも刺激的でいいかもなぁ」
 
 ねえ、ダルフェ。 
 私のお腹にいるはずの娘は、何処に行ってしまったの?

 私と貴方の娘は、迷子になっちゃったのかしら?

 早く見つけてあげないと。
 きっと、どこかで泣いている。

 早く、見つけないと。
 間に合わなくなってしまう。


 私……私はっ!


「けどな、騎士連中を壊すなよ? 前回はやりすぎだった。溶液にぶち込まなきゃなんないとこまで、やっちまったからなぁ。手足をもぐのは禁止、特に頭部損壊は絶対駄目だからな、さすがに死んじまうぜ。了解? アリーリア」

 片目を瞑って言う夫に私は言った。


「善処するわ、テオ」


 
 早く、戻ってきて。

 母様のお腹に、帰ってきてちょうだい。

 ねぇ。
 どこにいるの?


 私の可愛いお姫様《むすめ》。



 もうすぐ、帝都に冬が来る。

 私が生まれ。

 母様が死んだ、冬がくる。
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