最後の恋、最高の恋。


それから黙々と編み続けて、私がストラップを編み上げたときにはお姉ちゃんの手元には編み終わったコースター3枚作られていた。


それをマグカップの下から取り出した宮田さんのものと比べて、眉を寄せながら「やっぱり誠人君の方が上手くて悔しいなぁー」なんて言っている。


それを横目に自分が編み上げたストラップを目の前に掲げてみる。


いびつで、ガタガタで、それでも一応花だと分かるレースが3つ連なっているそれは、初めて作ったストラップより確実に上達していた。


「それを渡した時の学の間抜けな表情が目に浮かぶわね」


いつの間に私の方を見ていたのか、お姉ちゃんはローテーブルに頬杖をついて呆れたように笑いながら言った。
そして視線を自分の編んだコースターに落とすと、


「私がこれを誠人君に渡したら、絶対ここがまだダメだのなんだのって酷評されるだけなのよね……」


と、悔しそうに、でも少しの切なさを滲ませてそう零した。


綺麗なお姉ちゃん。

優しくて、何でもできて、マリア様みたいなお姉ちゃんは、宮田さんに長年片思いをしている。

まさに美女と野獣みたいな二人だけど、とってもお似合いなのに。
宮田さんはお姉ちゃんの気持ちにちっとも気付かない上に、お姉ちゃんは色恋沙汰になると消極的になってしまうらしい。

宮田さんの前だと、素直になれないんだとこの間ぽつりとこぼしていた。

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