最後の恋、最高の恋。
『え? なんで謝るの?』
「だって、今お姉ちゃんと一緒ですよね? 邪魔しちゃってすいません」
自分の間の悪さを反省しながらも正直に言うと、宮田さんからは意外にも『何で邪魔なの?』と不思議そうな声が返ってきた。
その言葉に、一気に不安になる。
もしかして、もしかしてなくてもお姉ちゃんあれだけ意気込んで行っておきながら、土壇場になって怖気づいたりしてないよね?
まさかの予感を確かめたくて、でもお姉ちゃんの想いを私から言うわけにはいかないから遠まわしに聞くことにした。
「お姉ちゃんからストラップ貰ってませんか?」
『ストラップ? 貰ってないけど春陽ってどこかに出張でも行ってたの?』
どこかのお土産なの? とあまりにとぼけた返答に、私は部屋のベッドに思わず突っ伏した。
……お姉ちゃん、なにやってるのよ。
『もしもし? 美月ちゃん?』
私が急に黙りこんだからそう私を呼ぶ宮田さんに、「お姉ちゃんはどうしてますか? できれば電話変わってもらいたいんですけど……」とお願いすると、
『それが急に電話で呼び出されたと思ったら酒に付き合わされて、ハイペースで飲みまくって今潰れてるんだよね』
今度こそ私はベッドから起き上がれなくなった。
お姉ちゃんはあれだけ勢いづいて行っておきながら、宮田さんに会ってストラップを渡すことなく泥酔しているらしい。
泥酔しているお姉ちゃんなんて見たことないし、そこまで酔いつぶれてしまうほど行動に移せない自分をきっと追い詰めてしまったんだろうけど。
でもお姉ちゃん、それじゃ今までと何にも変わらないんだよ。
私はお姉ちゃんにも幸せになってもらいたいって心から思ってるんだよ。
初恋を実らせてほしいって。
そしてできれば、それが最後の恋になるようにずっと宮田さんと仲良しでいて欲しいんだよ。