ストロベリーデイズ




先生が私にピアスを見せた時のように、私も先生にイチゴ味のアメを見せた。


このデカい人がこのアメを好きだということを思い出して、少し笑ってしまったけれど。


「さようなら、せんせ」


私が振り返ってから、そう言ってドアを閉めるまで。

私に、そんなこと言われると思っていなかったのか、終始先生は、ポカーンとした顔をしていた。


最後のあの顔、先生を負かした気分だ。

終わり良ければ全て良し。


いろいろイヤなことがあったけれど、最終的には先生の“普通”じゃなきゃアリエナイ顔を見られたのだから良しとしよう。




< 29 / 158 >

この作品をシェア

pagetop