30才の初恋
夕方まで遊園地で楽しんだ後、ファミレスに来ていた。



奈歩ちゃんはお腹が一杯で眠ってしまった。




寝顔も可愛い。




咲良さんは夕食の仕度があると帰って行った。




帰り際、斗真は凄く不器用な子なのよ。宗次郎君みたいに、優しく明日美ちゃんに接すればいいのにね。




咲良さんは中途半端な言葉を残して行ってしまう。




もう、やだ、今は宗次郎といるんだから、斗真の事考えたら駄目だ。




「明日美、携帯が鳴ってる。」



斗真からのメールだ。




【明日美が来るまでずっと待ってる】




行かないんだから、待ってないでよ。




「明日美、斗真からだろ?いいのか。」




「いいの、斗真といると辛いの。苦しくて何も手につかない。」




俺といてもそんな気持ちにはならないんだなと、宗次郎が寂しそうに笑った。




宗次郎といたら、いつも暖かな幸せな気持ちになる。



宗次郎を選んだら、絶対幸せになると思う。



そう思うのに、なんで宗次郎を選べないのだろうか。
















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