30才の初恋
斗真の家に帰ろうと言うと、もう歩く力もないと言われた。




ホテルには入れない。



公園の近くにキラキラ光るピンクの建物が見えた。




斗真にあそこなら入れそうだと指差すと、明日美って以外と大胆だなと言われた。




あの建物が、ラブホだって事ぐらいは知ってるわ。




この際泊まれれば何処でもいい。




兎に角冷えた体を暖めないと、風邪をひいてしまう。




明日仕事は休めないから。



斗真に肩を貸してラブホまで歩いた。




着替えは円香に頼もう。




ラブホなんて入った事がないから、分からなくて困っていると、これ又慣れた手つきで斗真は簡単にラブホに入る。




さっきまで心配してた自分がバカらしく思えた。




「何剥れてんの?お子ちゃまな明日美には刺激が強すぎた。」




斗真に会いに来た事をすでに後悔した。




本当に来るんじゃなかった。




あのまま凍死すれば良かったと本当に思った。



もう、イライラがおさまらない。



なんで、私ってこうなんだろ。



後先考えずに行動してしまうのか、もう知らないんだから。












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