30才の初恋
目が覚めると、斗真が私を抱き締めて眠っていた。




湯タンポ代わりにでもしたのかと思うと腹立たしいが、斗真の安らかな寝顔を見たらほっとしてしまった。



それにしても今何時なんだろ。




携帯を見ると8時を過ぎていた。




斗真を叩き起こし円香に電話をして、着替えを頼むと、何処に届ければいいのかと聞かれ、ラブホと言うとそのまま携帯が切られた。




仕方なく兼太郎の携帯にかけると、斗真と私の着替えを届けてくれる事になった。




兼太郎には本当にめんどくさいカップルだと言われたが、カップルなんかじゃない。




兼太郎に会社まで送ってもらい、ここからは仕事モードで副社長と秘書に戻るのはいいが、ホストじゃないんだから紫のスーツはないだろ。




兼太郎、もっと他のスーツがあったでしょうが。




それでなくても副社長は目立つのに。



本当にどこから見てもホストだった。















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