30才の初恋
「ママ泣かないで、ママ本当になき虫さんだね。」




奈歩ちゃんが私の涙を拭いてくれた。




「一真君は男だから泣いちゃ駄目だよ。奈歩はパパしかいないの。一真君にはママがいる。だから泣いちゃ駄目。」




そうだよ。一真君がママを守らなきゃ。




奈歩ちゃんと一真君は、すっかり仲良しになっていた。




まだ問題は解決していない。




「宗次郎、私たちは帰ろう。後は斗真と加容子さんで話合ってね。一真君は私たちが預かります。宗次郎いいよね。」




ごめんね斗真、今はあなたとは話たくない。




どんな事情があったにしても、本当の事話してほしかった。




斗真に私は必要ないんだ、でも宗次郎は私を必要としてくれた。




だから宗次郎と一緒にいる事を決めた。




守られるだけの幸せはなんて、嫌だ。




2人で力を合わせて幸せになりたい。



斗真は、私でなくても幸せになれるはずだから。



私たち、会うのに時間がかかりすぎたのかもね。











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