30才の初恋
土曜日、弘平と約束をしたグラウンドに向かった。




弘平に寒いから厚着して、カイロを入れて来いと言われたから、雪だるまみたいな格好になってしまった。



でも本当に寒い。




あれから斗真からの電話はない。




多分もう出張から帰ってるはずだ。




どうして連絡をくれないのか、分からないが、それが斗真の答えのような気がした。




私は又斗真から逃げようとしていた。



今日は斗真の事は忘れて、弘平を応援しよう。




寒い中沢山の人が応援に来ていた。




若い女の子たちが圧倒的に多い。




女の子たちの隣には座りづらくて、少し離れた場所に座った。




私の横に背の高い青年が会釈して腰を下ろした。



誰なのかな。














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