30才の初恋
何で宗次郎がいるの。


確か実家の病院を継いだと聞いいたけど。


宗次郎がどうして斗真の会社にいるのだろう。


「明日美さんは、青山先生と知り合いなんですか?」


まぁ、知り合いと言えばそうだと思う。


「武井とは幼馴染みなんだ。小さい頃いつも一緒に遊んだ仲だよ。武井元気にしてたのか。」


元気だったとは思うけど、何から話していいのか悩む。


斗真の事が原因で、ずっと引きこもっていたなて言いたくないし。


「又、ゆっくり話そう。先ずはその足を何とかしないといけないな。」

「三浦さんは職場に戻っていいよ。」


あ、そうだった、三浦さんは宗次郎が好きだった。


「青山先生、明日美さんをお願いしますね。必ず食事に誘って下さい。連絡待ってます。」


はい、はい、と言ってリカさんの言葉を流す宗次郎。


宗次郎は誰にも優しいから、きっと誤解されることも多いのだろう。


「武井はいつからこの会社に?」


「今日からだよ。受付の仕事も楽じゃないね。」


何かおかしな事をいったかな、そんなに驚かないでよ。


「30才の受付嬢ですか。化粧で誤魔化せばなんとかなるもんだな。」


酷いな。


ずっと宗次郎が笑っていた。


「足痛いんだから、早く治療してよ。」


宗次郎の前では素の私でいられる。


湿布を貼り、ヒールの高い靴を止めてスリッパに履き替えた。


生き返る。


ハイヒールは2度と履かないと決めた。






















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