30才の初恋
そして、今日から副社長の秘書として、出勤する事になった。




「明日美、緊張し過ぎ。源太郎は俺たちの幼馴染みだ。何も難しく考えずに、明日美らしくやればいい。」




斗真ありがとう。




私は私らしく頑張るしかない。




結婚しても仕事は続けたいと思っていたから、仕事を頑張るだけだ。




ひさしぶりの会社、大きく深呼吸をして副社長室のドアをノックした。




「Good morning、明日美。」




ハグは止めて下さい。




「おはようごさいます、副社長。」




「そんな、他人行儀な挨拶はいらないよ。」




あなたと私は他人ですから。




「明日美、あのビードロまだ持っているんだろ。」




「……………………………」



どうしよう、答えられない。



正直に話していいのか悩んだ。




源ちゃんはどうしたいのだろ。




こんなにカッコいい源ちゃんに、彼女がいないはずがない。




それ以上近づいたら、大声だしてやるんだから。









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