30才の初恋

告白1

着物を脱ぎたいけど、目の前の美味しそうな料理を食べないなんて、あり得ない。




座り直してお料理を頂こうとすると、斗真に腕を引っ張られる。




「明日美、帰るぞ!着物着替えたいんだろ。」




着替えたいけど、この料理も食べたい。




せめて鯛のお刺身だけでも食べていい?




そう言おうと、斗真の顔を見ると、駄目だと言われた。




「分かったから、もっと美味いもの食わせてやるから、行くぞ!」




明日美ちゃん、斗真をよろしく。そう言って藤川さんが帰って行った。




2人切りにしないでよ。




「おまえって本当にめんどくさい女だよな。」




暴れる私を斗真が、担ぎ上げた。




下ろしてよ。




荷物じゃないんだからさ。



「明日美、軽すぎだろ。」




美味しい料理を食べさせてくれないからでしょうが。



暴れると落とすぞ!




なんで、お尻を叩くのよ。



痛くて涙が出て来た。




バカ、斗真!



斗真なんて嫌い。














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