犬と猫…ときどき、君


――そう。

そのメールに添付されていたのは、あの日の、春希と松元さんの画像。


「こっちも開くぞ」

画像の下に表示されていた、URL。

それを開いた聡君は、小さく舌打ちする。


「胡桃は、これは見るな。くだらねぇ」

溜め息交じりにそう呟いて、私の携帯のボタンを操作し始めた。

その様子を、ボーっと見上げる私は、今どういう状態なんだろう。


でもホントはね、聡君。

私、もう……見ちゃったんだよ。


「なんで、そんなこと書かれてるの?」

「……っ」

「誰がそんな事してるの?」

「胡桃」

「ねぇ、聡君」


聡君は唇を噛みしめて、静かに瞳を閉じて、怒りで震える息を、ゆっくり吐き出す。

そしてそのままゆっくりと瞳を開くと、私をそっと抱きしめた。


「胡桃は、どうしたい?」

「……」


“どうしたい?”

そう聞かれても、頭が全然働かないんだよ、聡君。


「俺は、どうしたらいい?」

そのしぼり出されたような、苦しそうな声に、今更涙がボロボロこぼれ出て……。

私を抱きしめる聡君の膝に、ポツポツと音を立てて落ちたんだ。


「もういい」

「……え?」

「もういいや」


もう、限界。


「もう……疲れちゃった」


私はどうして、こんな時に笑っているんだろう。


「聡君。私、春希と別れる」

「……」

「だって、もうどうしようもないよ。こんなに色んな人を巻き込んで」


好きだけど、もうどうしようもない。

それを言葉にした途端、妙に頭の中がクリアになって、久しぶりに、ゆっくりと息を吐き出すことが出来た気がした。


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