犬と猫…ときどき、君

「やっぱり、変な女」

暴言を吐きながらも、やっと笑った春希を見上げて、私もにっこり微笑んだ。


「はいはい。誕生会は9月9日にしようね」

私のその言葉にフッと笑った春希は「悪かったな」と、誤魔化すように人の頭をポンポン叩く。

いつも飄々としていて、やる気なさげなこの人にも、意外と可愛い一面があったらしい。


「いいえー。出来た彼女でよかったね」

「はいはい。ソウデスネー」

「ムカつくっ!!」

「あははっ!!」


春希の隣は、本当に居心地が良かった。

よくわからないスイッチがあって、時々手を焼く事もあったけれど、いつも心がポカポカして温かくて。


いつでも自分を全部曝け出せるその場所が、すごくすごく、大好きだった。


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