彼氏の余命を知ってる彼女。


ペラペラとページを捲るが、デス・クロックの事については何も書かれていなかった。


『たまに居るんだよな、無意識に来てしまう奴』


私が夢の中で初めて死神に出会った時に、死神はそう言っていた。


きっと、デス・クロックがある世界に行くには、滅多な事がないと行けない場所で、私は偶然行くことが出来たんだ──。


だから、こうやって死神について書いてる筆者もデス・クロックのことを知らないんだ──。


そう思い、私は本をゆっくり閉じた。


そして、その場から離れる。



    
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