限られた永遠の物語
「ねぇ、瞬はどうして私のことリリって呼ぶの?
私の名前はまゆみだよ?」

「えっ?ダメ?」

「ダメじゃないけど理由が聞きたいの」

彼がスケッチブックに滑らせている鉛筆の音を聞きながら私は目を閉じた

「いや、リリはリリだよ。初めてあったときからリリって思ったんだ。
それじゃダメ?」

「うーん。許す」


今度こそ後悔のないように生きていこう

「ずっと一緒にいような」

「どこからそんな恥ずかしい台詞言えるのよ」

「一度死にそうになったからさ、伝えたい思いは言葉にしていこうと思って」

「瞬、左手かして」

差し出された左手に私は応えるように手を握った

「うん。これからはずっと…、ね」


今度こそ

私がこの世の中からいなくなるまで

この寿命という限られた時間の中で

ずっと、ずっと・・・

私は永遠に彼を愛していきます



 『限られた永遠の物語』

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