桜ちる

「単身赴任。帰ったら奥さんが居るだろうよ」

「知らないのだ」

信二は憮然とした。
あの時二人にしてくれた仲間の気持ちを考えた。
昌子のためだけとも言えなかった。
信二が櫻子に告白して婚約までもっていく
卒業最後のチャンスだと煽られたが
エンストの上に気を利かしたと思った連中が
行方不明ではどうしようもない。

それも三人もだ。
< 13 / 250 >

この作品をシェア

pagetop