桜ちる
「よお、久しぶり」
「相変わらず元気そうね」
信二は一人ではなかった。
変わらない背丈であるが、
見るからに都会的な相沢秀樹を紹介された。
上司であると信二は言った。
「どこか、時間を気にしないで居られる処はないか」
「そうね、ホテルのカフェなんか」
「ホテルか、どうですか相沢さん」
「カフェなら案外空いているかも知れませんね」
三人は、昼食時の込んだレストランではなく、
一階のカフェの目立たない隅に席を取った