俺様王子のお気に入り
ま、そんな事はどうでもいいんだ。
誰が何と言おうと、私の答えは最初から決まっているんだから。
「ごめんなさい」
「…え」
「では、私はこれで失礼します」
それだけ言って、私は足早にその場を去っていく…はずだった。
でも、その足早にその場を去ろうとした私の腕を、神崎翔がガシッと掴んだのである。
はい?と思いながら振り返ると、そこには俯いて表情が見えない神崎翔がいた。
「何? まだ何か用なの?」
「あぁ」
「何よ」
そこまで言ったところで、神崎翔はゆっくりと伏せていた顔を上げた。