恋イチゴ


「…ちげーよ。そんなんじゃねーよ。」


ただの幼なじみ、だ。

倉橋はそう断言すると、蓮の手から写真をひったくるようにして取った。


…かっこわりー…俺。

いくら中学からの親友の蓮でも知られたくない。

…誰にも、知られたくない。


倉橋は、まるで何事もなかったかのように、教室を去った。

これ以上蓮と話していると、頭がおかしくなりそうだった。

蓮といると、なんだかそわそわ、落ち着きがなくなる。

なんでもお見通し、な対応をする蓮。

それは、中学生の頃からなんにも変わっていなかった。


……しかし

…倉橋の頭の隅に、何かが引っ掛かった。



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