ロ包 ロ孝 2
「班長! 見て下さい」

「喧しいぞ、お前達」

「すいません、しかし磁力線の到達した証拠を発見したんです」

 青ツナギの男は不自然に繋がった2つの石ころを見せた。

「この通り、磁石になってしまっています」

「これは周辺の残存磁気分布状況です」

 調査班のメンバー達は次々とデータを引っ張り出した。

「なるほど、では引き続いて磁力線の飛来地点を割り出してくれ」

「了解しました」

 再び散って行った青ツナギの男達を見送ると、白衣を着た男は参謀の八嶋に向き直った。

「お聞きの通りです」

「ううむ。月面で磁場を発生させたか、若しくは衛星から狙ったかの2つに1つだ。
 いよいよ反乱軍もそれ程の体力を手中にしたという事か」

 八嶋もまた、これが『対岸の火事』では無い事に漸く気付いたのだった。


< 244 / 258 >

この作品をシェア

pagetop