好きだ好きだ、大好きだ。


“キャーーー!! 晃くーん!!”
“城戸くーーん! 頑張ってぇー!!”

な、何だろう、この異空間。

さっきまでいた埃っぽい資料室と同じ敷地内とは思えないくらい、華やかなその場所。
飛び交う黄色い歓声に、こめかみの辺りがちょっと痛んだ。

「いやぁーー!! 晃ぁーーー!!」
「……」

そんな私の隣で、私のこめかみの痛みになんて気付かない人が、もう1人。

でも亜矢ちゃんの声に気付いた晃君が、その視線を亜矢ちゃんに向けてニコッと笑った瞬間……。
ほんのちょっとだけ、亜矢ちゃんが羨ましくなったんだ。

この世に生まれて16年。
未だ彼氏がいた経験のない私にとって、そのあたりは未知の領域。

「見た!? ねぇ、見た!? 晃のあの笑顔、華も見たでしょう!?」
「見たよー。相変わらずサワヤカさんだねぇ」


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