バイバイまたね
あの人に会いたいと思い、私は、必死に念じてみた。

すると、彼女が現れた。

「通じた。」

「たまたまよ。」

「念力が使えるのかと、思ったのに。」

「残念ね。それで?用があったのなら、聞くわよ。」

「私、やるべきこと決めた。」
「何をするの?」

「宏介を見守るわ。彼が前を向いて、生きていけるように…そして…。」

「そして?」

「私のことは、忘れて…新しい幸せを…見つけて…ほしい。」
強がりを言った。

本当は忘れて欲しくない。

ずっと私だけを、思っていてほしい。

けどそれは、叶わぬ願い。

最愛の人を苦しめるだけの願いなら、私は願わない。

決めたんだ。

宏介が、私の愛した宏介に戻るまで、私はそばにいよう。

何も出来ないけれど、見守っていたい。

「そう…頑張って。」

彼女は、そう言って消えた。

あの人は、いったいなんなんだろう。

まっ今度あったときに、聞けばいいか。

私は、ベットで眠る宏介のところへ行った。
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