揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
これで、梨香とは終わりにできた。


アイツには悪いけど、それが本音だ。


「まだ…早いか」


携帯の画面で時刻を確認すると、11時半を少し過ぎたところで。

約束の時間には、まだまだ早い。


それでも、何だか無性に由佳さんに会いたかった。

かといって、時間を早めてもらうには申し訳ないし。


「本屋でも行くか」


駅のすぐそばにある、まぁまぁ大きい本屋。

ちょうど、読みたい本があった事を思い出した。


「早く…会いたいな」


由佳さんとの初デートは、電車で3区行ったところにあるボウリング場。

そこには併設してバッティングセンターもあるし、俺としてもちょうどいい。


由佳さん、初めてだって言ってたよな。


克也が打つのを見た事はあるらしい。

だけど、自分で打った事は無いって言ってた。


野球だったら、俺は由佳さんに教えてあげられる。

こんなガキでも、ちょっとは彼氏らしいところを見せられるだろうか。


「そろそろ用意するか」


財布を取りに、俺は部屋に向かった。
< 197 / 298 >

この作品をシェア

pagetop