揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
そんな事を考えていると、大翔君がトレイにコーヒーを乗せて戻って来た。


どう声を掛けようかと、チラチラ見たものの。

テーブルの上にカップを置いてくれる彼とは、全く視線が合わなくて。


そのままキッチンに戻って行こうとした彼を、私は慌てて呼び止めた。


「あのさ、大翔君」


「……何?」


振り返る事なく訊き返す彼に、私はうまく本題を切り出せないでいた。

どうやって言えばいいのか分からず、


「あのね……」


とだけ告げて、後が続かない。


そんな私の言葉を待てなかったのか、


「……確か、シュークリームがあったから。由佳、食べるよね?」


そう言うと、彼はまたキッチンに行こうとして。


タイミングを逃したくなかった私は、意を決して彼の後ろ姿に訴えかけた。


「私…やっぱり大翔君とはつき合えない」


……と。
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