揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
「分かってるよ」


そう言って、俺は彼女の胸に唇を這わせる。


「あんっ、焦らさ…ないで」


敏感な部分を敢えて外し、俺の舌は柔らかな胸の膨らみを辿っていく。

そして俺じゃない誰かが付けたキスマークの上を、舌でなぞる。


その時、脳裏の片隅に何かが引っ掛かった。


キスマーク……?


「お願い、意地悪しないでっ。」


動きの止まった俺に、血の繋がらない母親がもっと愛せと懇願してくる。

その要求に応えて先端を口に含みながら、俺は頭の中で思い出していた。


昨日の、由佳の裸を。


あの時は、泣いている由佳を前にして余裕が無くなってしまっていて。

今思えば、俺が付けたモノ以外にキスマークが幾つかあった気がする。


誰が…付けたんだよ?


「あんっ、もう…ダメ……」


俺の舌の動きに反応して、まどかさんは悶えている。

まだまだハリのある綺麗な体から、だんだんと汗が滲み出てくる。


でも、俺の頭の中は由佳の事で一杯だった。

見覚えの無い赤紫色の痣を、幾つも思い浮かべてみる。


俺以外の誰かに抱かれたっていうのかよっ!?


もちろん、確証はない。

だけど、かなり高い確率で間違いない気がする。


だって、そう考えれば何もかも辻褄が合うんだ。

俺を拒んだ事も、別れを告げられた事も。
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