揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
だけど、あの体に触れた奴が俺の他にいると思うと、激しく胸が締め付けられる。


「ごめん、ホント無理」


彼女の胸から手を離すと、俺はベッドから下りて立ち上がった。


「何で?昨夜、帰って来なかったから?浮気…したから?」


縋るように見てくる彼女から視線を外すと、俺はそのまま背を向けた。


「そんなんじゃないよ。ごめん、おやすみ」


そして、俺は彼女の寝室を後にした。

廊下に出て、そのまま自分の部屋へと入る。


なんか、俺カッコ悪りぃ……。

振られた彼女の事が気になって、まどかさんを抱いてやれなかったなんて。


ベッドに、仰向けに倒れ込むように体を預けた。


電気も点けないまま。

窓から差し込む月の光に照らされた天井を、ぼんやりと見つめていた。


俺が小学生だから……。


つき合うのは嫌だって、由佳は言った。

でも、それでもいいって言ってくれたはずなのに。
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