月を狩る者狩られる者
〜情報〜
協会本部を出た私達は、近くの喫茶店に向かった。

朔夜が贔屓(ひいき)にしている情報屋がよくいる場所らしい。


もしかして前に見た女の人かな?


私はあのときの嫉妬感を思い出して、少し嫌な気分になった。


朔夜が向かった先には、案の定見覚えのある女性が居た。


「あら朔夜、そっちから来たって事は、協会に行ったの? 珍しいわね?」

私達に気付いた女性がそう話しかけてくる。


朔夜はフンと鼻を鳴らして答えた。

「何を白々しいことを……どうせ分かっているんだろう? 俺がこいつとハンターの仕事をしてるってことは」

朔夜はそう言って私の腰に手を回して引き寄せる。


本当に人目を気にしないんだから……。

でも、それを嬉しがっている私がいるのも事実なのよね。
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