あやまち
曖昧
.



長い長い大学の夏休みが終わり、今日からまた講義が始まる。


学部は違うから、サークルにさえ行かなければ渉に会うことはないけれど、それでも同じ構内にいるって思うと、大学へは行きたくないって思ってしまう。


そんなあたしの気持ちに気付いているかのように、前日の夜、麻希から電話があった。


その内容は『明日の朝迎えに行くから』。


きっと、麻希にはすべてお見通しなんだ。


敵わないなって思った。






「悠亜、おはよう」


「おはよ」



爽やかな笑顔で迎えてくれた麻希に、憂鬱だったあたしの心が少し晴れた気がした。



「今日、テニスだって」


「えっ」



突然麻希の口から飛び出してきた言葉。


これは、サークルの話。

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