あやまち
秘密



「悠亜?」


「えっ」


「やっぱり、何かあったんだろ?」




昨夜……というか、もう明け方近かったけれど、渉に抱かれてから、あたしはずっと上の空だった。



渉が帰ったのは、空が明るくなり始めた、四時半頃。



それからは、寝るに寝れず……



だからといって、何もする気が起こらなくて……



気付いたら、時計の針は正午を指していた。





ちょうどその頃、遠征帰りの翔太がやって来たんだ。



何度も鳴らされたインターフォンに気付いてはいたものの、出る気にはなれず……



翔太は合鍵を使って、中に入ってきた。



寝たフリをしていたあたしに、軽くキスをしたあと、翔太はシャワーを浴びにいった。



その間に、慌てて服を着たんだ。
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