《短編》空を泳ぐ魚
ちなみに余談だが、その後に行われた期末テストで清水は、

答えを教えてやったにも関わらず、何故か平均以下。


仕方なく俺は、わざと採点ミスまでしてあげちゃうほどの甘さ。


が、一切感謝はされなかった。


それから夏休みになり、念願叶って行ったピクニックでは、

悲しいかな見つけられなかった魚雲。


何度行っても一向に見つからず、いつまで経っても付き合ってもらえず。


おまけに、“エッチする理由がない”とかで、放置な俺。


悶々と過ごした夏休み。



張り切って迎えた新学期、

俺が作るわけじゃな全国統一模試の答えを教えることが出来ず、

イキナリ無視攻撃までされてしまう。


2度目の進路調査表に今度清水が書いたのは、“人魚姫になりたい”で。


頭を抱える担任と、苦笑いしか出来なかった副担任の俺。


いつも突然に来る清水に、たまたま食べていたマグロの刺身を見られて。


無視され続けたことが、一体何度あっただろう。



やっとお付き合いが許されたのは、3学期に入ってすぐのこと。


いよいよ卒業が危うくなった清水に俺が、

“卒業させやる代わりに付き合え!”と交換条件を出したのだ。


そして手に入れた、夢の“彼氏”の座。


が、清水は至っていつも通りで。


挙句、無事に卒業出来た3月に、

“ずっととは言ってないじゃん”とかでお別れ宣言までされてしまう始末。


いや、別れさせてやらないんだけどね。


俺、可哀想だと思わない?









END

続編も完結してます。

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