妄想店長~大人と子供~

 予想もしていなかった貴方の言葉に、きっと私は間抜けな顔をしているでしょう。

 結局、大人なのは私じゃなくて、貴方。

 凡てを許せる貴方は大人で、凡てを嘘で隠した私は大人の振りをしていただけ。

 なんて事はない。

 貴方は私を見抜いている。

 嘘の笑顔だけじゃなく、建て前だけの言い訳も、見抜いていて騙されてくれているんですね?

 年功序列、しょうもない大人を立ててくれる貴方に完敗です。


「すみません。大人気なく取り乱しました。・・・ごめんなさい。」


 自然に口を吐いて出た言葉は謝罪。

 作った笑顔は笑顔になっていない筈。

 お手上げです。

 こんな風になりたくないと思っていたけれど、貴方には敵いません。

 とことん格好悪くなる私がいて正直悔しいです。

 言った私を貴方は驚いたように見つめた。

 そうですよね。

 きっと、私は泣きそうな顔をしている。


「だっせー顔。」


 ふんっと鼻で笑った貴方の横顔が、頬が耳朶が赤く染まるのを見つけた。
< 75 / 224 >

この作品をシェア

pagetop