夢想物語(仮)
ふんっと鼻で笑ってから、桜は言った。

「ここは夢のなかなんだから、夢の話でもするか。桃慈、なりたいものの話をしろ。」

なんで、そんなに上からなんだと思いつつも僕は答えた。

「なりたいものか、僕は…」

言いかけて、僕は横目で桜をみた。

「ん?」

急に言葉を止めたせいか、桜は不思議そうに首を傾げた。

「笑わない?」

足下に視線を移して言えば、桜は下から視線を合わせるように腰を下げて僕を見上げた。


「笑わないさ。だから話してみろ。」

「ほんとに?」

「くどいやつだ。笑わないと言ったら笑わない。」

念を押すように聞き返せば、桜は呆れたように笑ってそう言った。



出来ること、それは会話すること。
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