白いジャージ8~先生と熱い想い~






田辺さんのことで脳内がいっぱいになってしまったが、それどころじゃない。





今日は、戸村と宮崎が話し合いをすることになっているってのに。




ようやく一歩進んだ。




いじめ問題。







反省している宮崎から、戸村と話がしたいと言って来た。




何度も宮崎の家に行っていた俺としては、すごく嬉しかった。






「おはよう」



「先生~、おっはよ」






気分が落ち込んでいたので、校門に立った。





ここに立つと、元気になれる。






みんなからパワーをもらえるんだよ。






「新垣先生~!珍しいね!」




「あ~、新垣先生だぁ!」






いろんな生徒が俺に声をかけた。




その中には俺が名前も顔も知らない生徒もいた。





そういうことだ。






俺にとっては、何百人もいる生徒の中のひとりだが、生徒からすれば俺は“新垣先生”なんだよな。




だから、田辺さんが俺を知っているのも当たり前のことなんだよ。






< 211 / 374 >

この作品をシェア

pagetop