禁断ノ遊ビ


もういいと、無理矢理この部屋からの強行突破を試みた。

だが、右手が扉に掛かると共に引かれる左手。

後ろでガシャッと金属音が鳴った。

嫌な予感を感じれば手首に填まる、黒い手錠。もう一つの輪は手から垂れ下がっていた。


「何して……っ!?」


右手でそれを外そうと足掻くも金属音が逃れることを許してくれない。

鎖と鎖の間には鍵が垂れ下がっている。明らかにこの手錠の鍵ではない事は大きすぎるそれが示していた。


「さぁ、雛の熱が下がったら遊ぼうか。この家から逃げることが勝利条件の鬼ごっこで」


見えるのは希望か絶望か。


「勝ち目なんてないじゃないか……っ!」


きっと絶望。


< 100 / 122 >

この作品をシェア

pagetop