禁断ノ遊ビ


予想なら出口まで、後少しだろう。それを知っているのは私だけ。


「椿くん……」

「どうした?」

「ううん……」


椿くんは知らない。何も知らない。

同時に私は椿くんが柊様に何を聞いたのかも知らない。椿くんが知っている事も知らない。

でも聞こうとは思わない。聞いたところで無駄だ。


「ゴホッ!ゴホッゴホッ!」


勢いよく咳き込めばベシャリと床に張り付く赤いそれ。


「雛!?」

「だい、じょぶ……大丈夫だから……」


後少し、後少しだから耐えないと。


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