禁断ノ遊ビ
歯が当たったまま、口を開かされたままに見つめてくるのは赤い目。また、動けなくなる。
「否定嫌いっ。本当は雛が椿って呼ぶのも嫌っ」
只の子供の癇癪じゃない。こんなの。
「っ~~!」
思ったところで、体の異常に対応するので手一杯だった。
喉の奥の奥に入り込む異物にえずく。意味が無い。
ジタバタと柊様の腕に手を伸ばす。意味が無い。
涙を浮かべる。微塵にも意味がなかった。
「でも、呼ぶくらいなら許すよ。否定は嫌だけど」
粘着質な音を纏わせながら捩じ込んでくる異物。指も喉の奥まで侵入してきたようで一層拒絶反応が強くなった。
憶測も何も、私の口に入っているのは紛れもない柊様の右手であって、柊様の髪の毛の束だった。