禁断ノ遊ビ


現時点で僕が此処から脱出するのは無理に等しい。どうやって閉じ込めているのか分からないが、何をしても開かないのだ。

出来ることと言えば思案するのみ。


「――……」


それだって意味のない行為だと既に気付いていた。

今、薺が雛の元へ向かってどれ程の時間が経ったのだろう。時間を刻むものは当然この部屋にはない。意味がないと言っているかのよう。

助けはない。何も家に言わず出てきたが、今家はどうなっているのだろう。心配しているだろうか。それなら捜索してくれてはいないだろうか。


「馬鹿か……」


分かっている事だ。この現状が答えだと。

何もかもに呆れ返って頭も戸に預けようとしたが、正常よりやや後ろの所でピタリと首が止まった。

聞き逃しなどしない。来客を知らせる音がこの耳まで届いたのだ。



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