尊敬するたったひとりの女性
私の幼い頃の記憶は…


父親の母親に対する暴力と、母親の殴られた、はれぼったい顔の記憶しかない。


家庭環境は、最悪。


子供が、非行に走ってもおかしくない状態だった。


実際、その家庭環境のせいで、小学校のころは、よくいじめられていた。


子供は、容赦なく、一番傷つく言葉を浴びせてくる。

家庭環境も、学校の環境も最悪な状況で、小学生で、すでに、人生ってものは、逃げだしたくても、逃げ道なんて、どこにもないと悟った。



周りの大人たちは…
「えらいね」
「本当に子供がかわいそう」とか


優ししい言葉を投げかけてきた。


優しい言葉をかけてくれても、なにも感じない、自分の心。


この年で、心をなくしてしまったのかと、不安に感じたことがあった。


なにも感じない…



だって、優しい言葉をかけてくれても、心がないから…
だから、なにも感じないんだ。


非行に走ることは簡単なことだ。


どんどん、深い深い穴に落ちていって、それがどんなに楽だろうって思ったこともあった。


嫌な環境から逃げなかったのは、たくましい母がいたからだ。


たくましい母でなかったら、私は、確実に、深い深い闇に落ちていっただろう…
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