IMITATION LOVELESS -Remember-
二人の手に握られた銃の口から煙が立ち込める。
銃口の先には血を流し倒れている先程の女。
二人は動かない女に近づくとマントを剥ぎ取る。
「……違うね」
「あぁ、まぁいい」
優夜が刹那の服の裾を握り締めながら屍を覗きみる。
雨が女の血を洗い流していく。
「……早く 見付けないとな、姫を…」
「うん……」
顔を上げた刹那の胸にすがるように優夜が擦り付いてくる。
そんな優夜の濡れた体を優しく抱き締める刹那はため息をつく。
吐く息が白く染まる。