うそつき
「それから先は無理に思い出そうとしないでください。記憶操作と言っても、軽いものなので、ふとしたきっかけですぐ記憶は復活してしまいますので。」

そんなに思い出したらあかんような事をうちはやらかしてしまったんやと思って

「うち、なんか粗相を…?」

「いいえ。お嬢様は何も悪くありません。事前に何も説明しなかった私のミスです。お許しください。」

藤村さんは深々と頭を下げた。

「じゃぁ、その、事前に説明するはずだった事を、今、教えてください。」

藤村さんは、しばらく考えてるみたいな難しい顔をして、渋々言ってくれた。
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