甘い秘密をそっと教えて?

彼女の姿が見えなくなり、
そして
それと同時に樫原くんがやってきた。


「ちゃんと言いたいこと、
言えた?」

「あ、うん…、
樫原くん、ありがとう、本当に今日は助かった」


彼の顔を見た途端、
ああ、これでひとつ解決したと安堵する。


「本当に感謝してる?」

「え?してるけど…」


その言い方、
なんか要求されそうな…そんな予感。

金目のものとか要求されたら困る。

そういや、
合コンのときに彼の大学はお金持ちが多いとか言ってたっけ。

ダメだ、
そんなの余計に用意できない。

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