龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「お腹こわしてもいい」


そして圭吾さんや彩名さんに心配してもらうの


「金魚すくいは?」


「連れて帰って死んでしまったら嫌」


「じゃあ死なない金魚を取ろう」


圭吾さんは射的の棚の、変な金魚のぬいぐるみを指差した。



笑いころげて

圭吾さんの腕にしがみついて

楽しい

とっても楽しい



「そんなに気に入ったなら、また一緒に来よう。お盆にも花火大会があって露店が出るから」


圭吾さんは金魚のぬいぐるみをくれてそう言った。


途中で何度か友達とすれ違い、手を振って挨拶をした。


「わたしには圭吾さんがいるからいいの」


「ん? 何?」


わたしは、問い掛ける圭吾さんに笑顔を返した。

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