龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】

晩ご飯はいらないと、圭吾さんが家に電話をしていてくれてよかった。

とってもじゃないけど入らない。


家に帰ると、和子さんが着物をたたんでくれた。


「洗って来年までしまっておきましょうね」


そうか来年もわたし、ここにいるんだな。

わたしが望めばこれから先もずっと。



今日はもうクタクタで

お風呂から出る頃にはフラフラ


髪を乾かすのもおっくうで、適当にふいて居間に行った。


広い和室に低めの家具を置いたその部屋には、いつも家族の誰かがいる。

今夜は珍しく圭吾さんがまだいて、彩名さんとコーヒーを飲んでいた。


「金魚どこ?」

わたしがそれだけ言うと、彩名さんは怪訝そうな顔をして、圭吾さんはコーヒーにむせた。


そんなに笑わないでよ

子供っぽい事くらい分かってる


わたしが置き忘れた金魚のぬいぐるみはすぐに見つかった。

でもその後、圭吾さんに『髪がまだ濡れてる』ってお小言を言われて、足元に座らされた。

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