龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】

たくさんの龍がいる。

海の底のお城で、王様の回りを取り囲むように。

王様は顔を覆って泣いていた。

ママが死んだ日の親父のように。


泣かないで

わたしが側にいてあげるから


差し延べた手に顔を上げた王様の顔は、圭吾さんに似ていた。


はっと目が覚めた


夢を見ていたんだ


暗闇に目が慣れてくると、自分の部屋じゃない事に気づいた。

圭吾さんの部屋の一室だ。

見慣れたソファ

ベッドにできるようになってたんだ。

でも、どうしてここにいるんだろう?


枕元に置いてあった金魚のぬいぐるみを抱きしめた。


死なない金魚――

圭吾さんがわたしにくれた約束

ずっと一緒にいようという約束


わたしはこれにどう応える気?


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