龍とわたしと裏庭で①【加筆改訂版】
「闘龍の練習はうまくいってる?」


「上達したとは思うんだけど、竜田川さんには勝てないんだろうな」


「いいじゃん。昨日今日始めて勝っちゃたら、ずっとやってきた子がかわいそうでしょ」


「うん、そうも思うんだけど、あの子ってどうしてか知らないけどすぐ突っ掛かってくるでしょ? つい頭にくるんだよね」


みんなが顔を見合わせた。


えっ 何? 何かあるの?


「志鶴、ホントに知らなかったんだ」

美幸が言った。

「……あの子、圭吾さんの元カノの妹だよ」


「そうなの?」


まあ圭吾さんのルックスなら元カノの四人や五人いそうだけど


「高校の時からずっと付き合ってたから、結婚するんだろうってみんな思ってたんだけどね。あっさり別れちゃったし。あの子圭吾さんの妹気取りだったからなぁ」


「今ではわたしが妹気取りでムカつくって事か。ヤキモチだったんだ」


また、みんなが顔を見合わせた。


えっ 何? 今度は何?


「志鶴、あんた自分の状況分かってないのね」

亜由美が気の毒そうに言う。


< 61 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop